一律$1.75という破格の運賃のロサンゼルスの地下鉄ですが、漂うアングラ感は独特です。初めての人には駅構内に入場するのもなかなかハードルが高いわけですが、今日は最もドラマの多い、構内に侵入してからの地下鉄の様子について触れてみたいと思います。
I use Metro and see dramas almost every day. The atmosphere is quite different from Japanese ones.
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東京都は似て非なる全く異質なロスの地下鉄構内
前回の記事で、運賃が一律$1.75(一部区間除く)という破格の値段で運行されているLAの地下鉄に触れましたが、それでもとにかくキセル乗車が多いのです。私が後ろにピッタリついてきて、一緒にゲートを乗り越える人もいれば、跳び箱のようにひょいと乗り越えてくるアスリートタイプの不法侵入する方もいます。
経済的理由も関係しているでしょうが、その他にも関係あるものとして、数年前に変わったばかりの地下鉄のシステムが関係していると現地の方に聞いたことがあります。
昔は紙のチケットを購入しなければいけないのですが、そのチケットをどこかに挿入するわけでもバーコードがあってスキャンするわけでもありません。
入場の際に何かゲートが侵入を阻むわけでもないので、今以上に不正乗車が常習化していたのがロスの地下鉄事情だったそうで、その時の悪い習慣が今にも影響を与えているのではないかという話でした。
現在はタップカードでタッチしないとバーが回らないタイプの改札が設置されていますが、それでもタダ乗りは後を絶ちません。構内見回り中の警官にたまたま遭遇し、運賃の未支払いが見つかってはその場で即座に拘束されている光景もしばしば見かけます。
ちなみに日本との大きな違いとしては、目的地に到達して改札を出る際はタッチする必要がないところでしょうか。日本のシステムに慣れ親しんでいる方は不安を感じて戸惑ってしまうかもしれませんが、大事なのは落ち着いて対処する事です。
なお日本でも頻繁に発生するような、ちょっとしたタッチミスでカードがエラーになって改札を通れなくなってしまう現象ですが、こちらのタップカードでも起き得ます。そうした場合は券売機ですぐにエラーを解消する事ができますので、万が一発生したら券売機まで立ち返ってみてください。
何が起きるか予測不可能!地下鉄とバスは気を抜くな
冒頭で言及しましたようにLAの地下鉄は時間通りに来ないのが日常茶飯事です。それも数分どころではなく遠慮なく大幅に遅れます。日本にいた際に数分の遅延だけで神経を尖らせていましたが、こちらと比べると日本の地下鉄はなんて優秀なのだろうと心から実感します。
バスは特に到着予定時刻が全く当てにならないどころか、遅延はまだしも早く着きすぎて既に通り越されていたりそもそも来なかったりする時すらあるので、帰国で空港へ向かう際などには、フライト時間に遅れてしまっては取り返しがつかないので最初からUberやタクシーなど信頼できる交通手段を選択された方が身の為です。
地下鉄では通常構内に乗客しかいない為、常に不穏な空気が漂っておりホームで奇怪な行動に出る人も度々見られます。
また車内に関しては、いきなり飛び乗ってきて楽器による演奏や大音量の音楽と共にダンスを踊るなどゲリラパフォーマンスをおっぱじめては、一つ先の駅で颯爽と降りていく人もいれば急に説法を始める人もいて、本当にいつも何が起きるかわからないような状態です。
日本では割と寛容なあの行為がロスでは罰金
また一つの車両に必ず一人はいるんじゃないかというくらいの頻度で、無許可の販売人が乗っている事があります。
クーラーボックスを引きずっては車内で飲み物やお菓子、はたまた何だかよくわからない商品を売り歩いている彼らはちゃんとした業者の方ではないのが一目瞭然なのですが、迂闊に購入し、その場で消費しようとすると、そもそもメトロでは車内での飲食が全面的に禁止されているため、罰金の対象にもなります。
日本では割かし電車内の飲食が認められているようですので、こうした違いには留意しておく必要がありますね。最近では世相を反映してか、スマートフォン用のチャージャーやイヤフォンを売り歩く姿も見かけますが、これだけ目撃するということはおそらくそれなりの営業実績を上げているのでしょう。
ちなみにロサンゼルスの地下鉄では自転車を乗せられます。座席が少ない分、大きな荷物を気兼ねなく運べる広めの空間が車内に確保されているのも大きな特徴の一つでしょう。
また東京でいうところの高崎線と宇都宮線、湘南新宿ラインが同じホームに入ってきて初めて乗る方が混乱して間違えるように、こちらでも二種類の路線が同じホームにやって来る駅があるので、ただでさえなかなか来ない電車ですから、さらなるタイムロスを避ける為にも乗車の際は注意が必要です。
このように日本と比較して圧倒的にドラマの多いLAの公共交通機関ですが、使い様によっては非常に便利ですので事前にしっかり調べて賢く使いたいものです。あらかじめ基本的な知識を学習しておく事で、異国情緒の一環として楽しめるかもしれません。
そして遅い時間は節約せずにタクシーなどをぜひご利用ください。せっかくの楽しい一時がとんでもないトラブルで台無しにならないよう、これは私自身も肝に銘じておかなければなりません。それにしても日本の電車の偉大さを改めて感じる今日この頃です。