2017/07/10

ロスで写真を撮るならここ!新進芸術家が集うアーツディストリクト

Journals (日頃の話)
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    前回ご紹介したリトルートキョーより南東の方向へ数分ほど歩みを進めると、そこにはダウンタウンに象徴される簡素なオフィス街の景観とはまた一線を画された、ひっそりと佇むお洒落な街並みが存在します。たくさんの芸術家の方々が居を構える「Arts District(アーツディストリクト)」は、ロサンゼルスの芸術文化を色濃く反映した地区で、個性豊かな芸術作品や才能ある芸術家たちの創作環境に気軽に触れることができる貴重な場所なのです。

    There is “Arts District”, where a lot of artists live, to the southeast of Little Tokyo. We can see their distinctive art works and know how they are creating them.

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    ロサンゼルスの芸術の中心地!法をも動かすアートの底力

     

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    リトル東京の中心地を離れて少し路地裏に入っていくと、一気に雰囲気ががらりと変わりまるで違う空間に迷い込んだのではないかと錯覚するかのようにお洒落な街並みが続く「Arts District(アートディストリクト)」は、リトル東京から歩いてすぐのところに位置しています。

     

    かつてこちらの地区は工業地域として栄えていましたが、ここを拠点を置いていた中小企業が戦後経済の中で競争に敗れて姿を消していくにつれて、次第に賑わいを失っていきました。その結果、後には廃墟ビルや空っぽになった巨大な倉庫ばかりが残されたそうです。

     

    その後1970年代に入り、そんな変わり果てた産業跡地に目を付けたのが、数人のアーティストたちでした。彼らは無許可でそこに住み込んでは、使われなくなった倉庫などをスタジオとして利用し始めました。それにより、この地区では瞬く間にアートが振興し、1981年にはついに市によってこの廃墟群の住居利用が正式に認められる」までに至ったそうです。アートの力はなんて偉大なのでしょう。

     

    あの巨匠の作品も!息を飲むほど巨大な壁画の数々

     

    そうした歴史背景を持つアーツディストリクトですが、この場所を語るのに欠かせないのが何と言っても建物の側面に大規模に描かれた壁画でしょう。

     

    これはアーツディストリクトにてストリートアート作品をメインに展示している「LA LA Gallery」のオーナー、Daniel Lehodaが始めた「LA Freewalls Mural Project」の影響を色濃く受けています。彼はロサンゼルスのパブリックアート(公共空間を彩るアート)の振興と社会的かつ政治的な変化の触媒としてのアート利用を目標に、数々の才能あるアーティストに対して絵を描く壁の提供を支援してきました。

     

    このプロジェクトは2009年、オバマ前大統領の「Hope(ホープ)」ポスターで一躍注目を集めたアメリカのストリートアーティスト、Shepard Faireyによる「Peace Goddess」という巨大壁画と共に幕を開けました。
     

    Shepard Faireyは、自身の活動家としての延長線上で立ち上げた服飾ブランド「Obey Giant」の商品が各地のショッピングモールで取り扱われるなど、今や大人気のアーティストなのですが、このアーツディストリクトに素晴らしいところはそんな名のある方の作品すら気軽に拝めてしまうという点でしょう。

     

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    またプロジェクトの仕掛け人であるダニエルは、アメリカ人だけでなく海外からのアーティストにも声をかけており、有名どころですとフランスの写真家「JR」(日本鉄道とは無関係です)によるアート作品もあるそうです。

     

    Wrinkles of the City – Los Angeles from SOCIAL ANIMALS on Vimeo.

     

    それ以外にも実に国際色豊かなアーティストたちの作品を目の当たりにする事ができ、その数は現在なんと120以上にも及ぶそうです。また場所は少し離れているものの、あの正体不明ながら覆面芸術家として非常に高名な「Banksy」の作品も見れるそうですよ!

     

    こんなところにも!歩くと自然に見つかるアート

     

    有名アーティストの作品を探索してみても楽しめますが、せっかくここら一帯が全てアートで埋め尽くされているわけですから、新参アーティストたちの作品を眺めながら散策しなくては損です。

     

    本当にこの区画は壁から歩道に至る隅々にまで、新興のアーティストの方々の美しい作品が蔓延っているので、歩いているだけでも飽きる事はありませんし、芸術分野に少しでも関心をお持ちの方であれば、その規模やクオリティの高さに圧倒される事は間違いなしです。さながら無料で楽しめる野外の現代美術館といったところでしょうか。

     

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    壁一面を彩る大胆な作品もあれば、地面にもちょこっと描かれているものまで、実に様々です。これは目玉焼きに少し似ていて、卵好きの私のツボをよく押さえています。

     

    写真を撮ったり脳裏に焼き付けておいたりずるだけでは物足りないという芸術マニアの方には、こうした作品を販売しているお店もありますので、ぜひ立ち寄られて気になったものをお土産に購入されてみても良いかもしれません。

     

    写真で見るストリートアートの数々。実際に写真を撮ってみよう!

     

    この地区全域にアート空間が広がっているとは言え、これだけ巨大な壁画が既にいくつも描かれているとなると、新しいアーティストが使うスペースは果たして残っているのだろうかとふと疑問に思ったのですが、なんとこうしたストリートアートは否応なく新しい作品に上塗りさせられてしまうのが暗黙の了解なのだそうです。

     

    せっかく時間をかけて完成させたにもかかわらず、容赦なく塗り潰されて抹消されてしまうなんて、少し切ないですね。こうした作品の塗り替えはいつ起こるか予測不可能ですので、気になるアーティストの作品がある場合は、手遅れにならないように出来るだけ早めに足を運ばれる事をお勧めいたします。

     

    また、このようなグラフィクアートはそれだけでも美しいですが、背景としても独特な雰囲気を演出してくれて非常に有用性があります。写真や映像があたかも一つの絵画作品であるかのように美しく仕上がるという事で、ここアーツディストリクトはミュージックビデオやファッション系のスナップ写真の撮影でも重宝される大変人気の場所なのです。

     

    ストリートアートがない場所でも、煉瓦造りの壁や一直線にまっすぐ伸びる通りなどお洒落な雰囲気のスポットが多いので、近くまで立ち寄られた際はスマホでも良いので、ぜひ本格的な写真撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと大変に美しい一枚が撮れる事でしょう。

     

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    いつもはおちゃらけた雰囲気が全開のくまさんたちも、こんなにも落ち着いて大人びて見えます。今にもブラックコーヒーでも飲み出しそうな佇まいです。

     

    創作活動が刺激される!芸術的な空間

     

    そしてやはり芸術が生まれる場において、重要なのは創作環境でしょう。この辺りは個性豊かな小洒落たバーやカフェが立ち並んでおり、創作活動に勤しむアーティストたちの憩いの場となっています。
     

    私でさえこうした空間にいるだけで感性が研ぎ澄まされて、何か良いアイディアの着想が得られそうな気がしてきますから、アーティストの方々はさぞ仕事が捗る事でしょう。

     

    見て回っているだけで十分楽しめる街ですが、流石に歩き続けると脚に応えますので、そんな時はお洒落なカフェで一休みしてみても素敵な時間が過ごせそうです。

     

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    旬なアートが満載のアーツディストリクトですが、独創性あふれるストリートアートは芸術に興味がない方をもあっと言わせるような不思議な魅力を秘めているように感じます。入場料などは全くかかりませんので、リトル東京までお越しの際はぜひ気軽にこちらまで足を伸ばしてみてくださいね。

     

    立て続けに書いてきたロサンゼルスダウンタウンシリーズもとりあえず今回の記事で終わりですが、これからも知られざるダウンタウンの魅力に迫っていきたいと思います。少しでも安全で有益な観光の手助けになれば幸いです。

     

     


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