キャストが撮影10分前にドタキャン!その驚愕の破壊力へどう対応する

お世話になっている知り合いの方が独自開発のカードゲームを売り込むべくプロモーション動画を製作するとの事でしたので、少しでもお役に立てればと思い、先日ハリウッドへ出向き撮影に参加させていただきました。結果的には監督自身も満足のいく映像が撮れたので、終わり良ければ全て良しといったような状況で撮影を無事に終える事ができたのですが、撮影前に突如勃発した予期せぬ緊急事態に一時はどうなってしまうのだろうと思いました。

I participated in filming the promotion video of the game for ESL students, which my acquaintance developed. After filming, I realized that it was crucial for actors to be on time.

久しぶりの再会と突然のプロモビデオ撮影

 

実は今回お手伝いをさせていただいた方は長きに渡ってお世話になっているものの、ここ最近はしばらく連絡を取り合っていませんでした。

 

ですので久方ぶりのメールを嬉しく思ったのも束の間、鴨が葱を背負って来るかのようにまさかの出演依頼が舞い込んできた時には、驚きを隠せませんでしたし恐悦至極でした。また、ここのところ残念ながらあまりそういった役者活動に従事できていなかった事もあって、俄然やる気が漲りました。

 

今回の撮影の主役でもあるカードゲームは、ネイティブではない英語を第二言語として学ぶESL(English as a Second Language)の学生さん向けに考案されたもので、楽しく語彙力を増やしながらも発音と綴りを同時に習得する事ができるといった画期的な仕組みです。

 

そのためキャストに選抜されたのは私を含めて役者、語学学校の学生など6人のノンネイティブで、できるだけ国際色豊かにしたいとの要望から実に様々な国籍を持つ方々で構成されました。

 

 

予算を控えめに済ませる為、撮影は実に小ぢんまりと行われました。監督とカメラマンさんがなんと照明と音響までこなされていたのですが、私もせっかくならば何か製作に携わるお手伝いがしたいと思い立ち、撮影開始よりだいぶ早めに現地入りして、各種機材の組み立てや設置などに助力させていただきました。

 

日本で劇場公演に従事していた頃にはよく裏方の作業をしていたので、映像と舞台ではまるっきり内容が異なるものの、とても懐かしさを感じました。

 

その後キャストの集合時間があと10分に迫ったところで、ぽつぽつと共演者の方々が姿を現し始めました。一人目の方は渡米してまだ一年も経たないイタリア出身の女優さんだったのですが、私と似たような境遇になんとなく親近感を覚えました。

 

そして次に登場したのはフランス出身の男性で、なんと私が二年前に短期ながら初めて渡米を果たした際、三週間だけ通った語学学校で当時クラスメートだった方だったのです。よもやこんな場所で再会するとは、あの時は想像すらしませんでしたが、人生は本当に何が起こるか分からないものですね。

 

そんな奇妙な瞬間を楽しんでいる中、今回のプロジェクトの発起人でもある私の知り合いが何やら不安そうな面持ちで行ったり来たりしていました。

 

まさかのドタキャン!?緊急のキャスト集め

 

撮影準備に入る前から、キャストの一人が当日になって急遽来られなくなったという話は既に聞いていたのですが、なんと集合時間の間際になって突然さらに別の二人からキャンセルの連絡が来てしまったとの事でした。

 

已むを得ない事情があるとは言え、撮影準備に追われ時間に余裕のない当日に辞退されるだけで、なんとか代替策を講じなくてはならない製作側にとってはかなりの痛手だと言うのに、まさかの直前ドタキャンは確実に撮影時間のロスにつながる為、場合によっては撮影を中止したり、作品の仕上がりに多大な影響を及ぼしかねない致命的な大事件です。

 

今回のゲーム自体は最低でも二人いれば遊ぶ事が可能な為、撮影自体はできるのですが、コンセプトである「国際色豊か」という条件は失われてしまいます。

 

キャストが不足しているという状況を知った時は既に集合時間を大幅に過ぎており、私を含めた3人から一向に増えないキャストにカメラさんも不安を露わにしていた頃でした。

 

「ネイティブではないけど、英語は喋れて、ビデオに出演してくれる方いませんか!」

 

結局アジアが一人にヨーロッパが二人しかおらず、流石にこの面子だけでは撮影は厳しいと判断した主催者は大慌てで代役探しに奔走していました。

 

今回の撮影場所がハリウッドの中心に位置する高名なアクティングスクールのレンタルスタジオでしたので、週末だった事も幸いしてスタジオの外では観光客など多くの人々で賑わっており、ノンネイティブの人手の確保自体はそれほど難しそうではありませんでした。

 

 

しかし、お願いする内容がプロモーションビデオへの出演とだけあって、なかなか突然の申し出を受け入れてくれる方は見つかりません。
特に旅行客で、いきなり無茶な事を頼まれてすぐさま都合よく対応してくれる方など滅多にいませんからね。

 

そこで今度は視点をぐるりと変えて、今度はアクティングスクール内にて授業を終えた生徒さんに目をつけてみたものの、ネイティブスピーカーの方々ばかりなので、なかなか条件に合う方が見つからない始末でした。

 

そうして半ば諦めかけていたところ、なんとようやくメキシコ出身の役者さんを発見し出演を快諾してくれたのです!しかも適度にスペイン語の訛りが残っていながらも、英語での意思疎通に何ら問題のないこの上ない逸材でした。

 

しかしながら、この時にはもう既に当初の開始予定時刻より30分以上が経過していて、撮影開始前に概要や流れなについて説明も行った為、本番は正に時間との闘いになりました。そうは言えど、こうした撮影云々に慣れているプロの方々が多かった事もあり、その後は大きなトラブルもなく満足のいく素敵な映像を撮る事ができました。

 

 

場所の都合やキャストのスケジュールの関係で限られた時間の中で撮影しなくてはならない状況は珍しくなく、一般的な映像制作の現場でも時にはこだわり過ぎずにさくさくと急いで撮影を進めなくてはならないわけですが、そうした場合は事前に製作側によって綿密に計画が練られ、予定された段取りのもとでの迅速な行動が短時間ながら素晴らしい作品を生み出す事を可能にしています。

 

しかし今回に関しては、キャスト個人の私的な都合によって製作側は大打撃を受けて、危うく壊滅の危機にまで陥ってしまったわけです。

 

無限ではない、役者に問われる時間の重要性

 

あらかじめ出演を承諾した案件に対して、交通事故など不測かつ突発の事象に巻き込まれているわけでもないにもかかわらず、撮影直前になって気が変わったから断ってしまうという行為は、製作に関わる全ての人の時間を無駄にしてしまいかねない非常に危険な行為です。

 

また損失は時間だけではありません。プロのカメラマンの方を雇い、必要な機材やレンタルスタジオを借りれば、それなりに費用も発生するわけですから、もし撮影が中止になってしまっていたならば多額の金銭が無駄となり無に帰していたかもしれません。

 

元々が個人的かつ小規模なプロジェクトでしたし、実際に映像制作に関与した経験がないとそこまで考えが及ばないかもしれませんが、週末の時間をもっと有効に使いたいなどという理由では取り返しのつかないほど大きな代償です。

 

もちろん私は相応の立場にいるわけではないので、今回ドタキャンをしたメンバーに対してとやかく言いたいわけではありません。ただ今回の一連のハプニングで改めて役者にとっての時間の重要性を実感させられたように思います。

 

映像製作の現場だけに限った事ではありませんが、時間は自分を中心に回っているのではなく、自分が中心となる指標に適合しなくてはならないのだと強く思わされました。

 

たかだか一分の遅刻であっても、映像製作の場では関わる全ての方々の作業を予定より遅らせてしまうわけですから、責任を持って時間を厳守する事が何よりも貴重である事を再認識しなければならないなと思い知らされました。

 

たった一度の失態が役者人生に終止符を打つ

 

また別の視点で考えても、たった一回の遅刻も決定的な致命傷となり得ます。それと言うのも、映画業界というのは案外にも狭い世界の為、悪い噂が広まりやすいのです。

 

もし仮に「時間に平気で遅れる」とか「よくドタキャンする」役者のレッテルが貼られたならば、この世界で成功を掴むのは非常に困難となるでしょう。

 

映画は多くの人間の努力と才能の成果なのです。これは映画だけの話ではないですね。

 

今回のトラブルを経験した上で遅刻やドタキャンの重みをしかと再認識できたので、これからも時間厳守を肝に銘じて役者人生を全うしていきたいです。何はともあれ、総じて今回の撮影で得られた収穫は大きく非常に貴重な体験をさせていただけた事に感謝したいと思います。

 

 

お誘いいただいた主催者さん、スタッフとキャストの皆さま、本当にありがとうございました!

 

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