幸いにも先日挑んだオーディションに合格しておりましたので、本日は早速ハリウッド北側に位置するバーバンクまで撮影に行ってまいりました。今回はスタジオでの撮影や特殊メイクなど私にとって初めての事が多く、貴重な経験を通じて実に様々な事を学ばせていただきました。
Successfully, I won the audition which I went on the other day. I participated in the film shoot and studied various things through what I’d never experienced until then.
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今回の撮影はバーバンクの映像スタジオにて
今回撮影が行われたNvisionate Studiosはバーバンクに立地するレンタル撮影スタジオで、映像製作に従事する学生やフリーランスの方であれば、利用料金に特別な割引が適用される為、規模の大小を問わずして数多くのプロジェクトの撮影に活用されているそうです。
バーバンクだけでなくハリウッド周辺には多くの撮影スタジオが遍在しており、ちょっとした激戦区の様相を呈しているので、おそらくオーナー側としても熾烈な価格競争に勝ち残る為、様々な特典や割引を考案しなければならない状況なのかと推測されます。
The film shoot was conducted in Nvisionate Studios, which is popular for freelancers and students who are engaged in filmmaking because they can get discounts.
I imagined that “film production studios” is a simple, vast space, where we have to decorate the backgrounds and put a lot of stuff like furniture. However, this studio had various types of sets, so it looked like a kind of museum!
撮影スタジオと言えば、広大かつ簡素な空間が広がっており、そこへ背景を装飾したり家具などの大道具を配置したりして、自分らでゼロから映画の現場を創り上げるといったイメージが強かったのですが、こちらのスタジオはなんと予め内部に様々なセットが完備されていました。
オフィスや民家などオーソドックスなものだけでなく監獄もあり、中をうろついているだけでもなんだかセットの美術館のようでとても楽しかったです。
撮影は順調、プロフェッショナルなクルーとキャストに囲まれて
今回の撮影に使用されたカメラはBlackmagic Designという映像機器メーカーの製品だそうで(通称ブラックマジック)、サイズは小ぶりながら、低コストで高品質の映像を撮影できる為、フリーランスの方を始め、役者にも人気があるそうです。
私はこの社名を初めて耳にしたのですが、Blackmagic Designは日本にも拠点を置いているそうで、「Cinema Camera」という価格もサイズも通常の一眼レフと似通っているにも関わらず、良質な映像を誇る製品が映像系クリエイターの方に評判のようです。
こちらはメイクアップルームです。こちらで撮影前にメイクをしていただいたり衣装に着替えたりします。今回の共演者とスタッフは皆アメリカ人の方々で私だけが異人という状況だったのですが、大変好意的な方々ばかりで、特にメイク担当の方は撮影前や休憩中も頻繁に話しかけてくださったので、緊張をほぐす事ができました。
また、これは日本にいた時からしみじみと感じていた事ですが、こう大きな鏡があると自分の今ある姿をはっきりと認識できて、なんとなく気持ちが引き締まる感じを覚えます。役者は自身の見え方にも常に意識を向けておかなければならないという事を深く思わさる瞬間です。
こちらは控え室で、「グリーンルーム」と呼ばれます。
たいていは撮影の際、お菓子やフルーツなど手軽に食べられるものやコーヒーなどの飲み物(アメリカ人にはコーヒーが必需品なのです)が用意されていて、自由につまむ事ができるのです。
こうしたちょっとした飲食コーナーをこちらではクラフトサービスと呼ぶそうで(確か日本にいた際はこれ自体をなぜかケータリングと呼んでいた気がします)、ハリウッドの撮影現場では不可欠なものとなっています。
特に熱々のコーヒーは撮影中のスタッフにとって欠かせない存在ですので、撮影中にコーヒーが切れてしまった暁には苦情が飛び出す事もあります。
こちらの映画学校でも撮影技術のみならず、どんな内容のクラフトサービスを提供したら良いのかについての授業もカリキュラムに組み込まれているようです。素晴らしい映画をつくる為に、スタッフとキャストのモチベーションを保つのは前提条件であり、そういった意味で製作に携わる全ての方の精神状態を良好にする普遍的な手段として飲食サービスは撮影において重要な位置を占めていると言えるでしょう。
ちなみに私は基本的に甘いものが苦手なので、いつも蜜柑やりんごといった果物をこっそり頬張っています。別にこそこそする必要はないのですが、性格的に我が物顔で食べ物をいただくのは気がひけるので、部屋に誰もいなくなった瞬間を狙って食料の確保に努めています。撮影中にトイレに行きたくなるのが不安なのでコーヒーはなるべく控えていて、基本的に水を飲んでいます。
初めての特殊メイキャップ、デーモンに変身!ハリウッドはすごい。
そして、なんと本日は特殊メイクを施していただきました!初めての経験でしたので、正直言ってとてつもない不快感に襲われました。
顔面に何かが付着している状態に関してはそこまで厭わなかったのですが、完全に片目が埋まっていて使い物にならないばかりか、さらに自分のコンタクトレンズをはずして白い縁取りものを着用したので、視界の悪さと言ったらこの上ありません。
また鼻呼吸が極めて困難な為、口呼吸を強いられた事も大きな痛手でしたが、メイク自体は本当に素晴らしくまるでアートのようで、メイクアップアーティストの方の技量に心から圧倒された瞬間でした。
そして、気になる結果が…
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It was my first experience to have that kind od make-up on me, so I felt so uncomfortable (which means it was a good experience:) ) I couldn’t see anything clearly because my right eye was completely covered with the mask. Moreover, nose breathing was so hard that I was forced to breathe through my mouth.
Furthermore, my body was colored by fake blood and wrapped with plastic wrap, and finally, lots of slimes were put onto me.
I was sometimes about to lose my concentration because of the inability to move freely, but I went through the whole shoot.
I realized that actors must focus on acting, however, an uncomfortable situation they are in. The production was going smoothly, so I could concentrate on the character relatively from the beginning to the end. I appreciate such a precious opportunity!
特殊メイクに加え、体中に血糊を塗りたくられた後、その上からサランラップを巻き付けられ、さらに頭上から大量のスライムを浴びせられたので、動きづらさと独特なベトベト感が相まって、幾度か演技への集中力を乱されましたが、なんとかマルティーニカット(一番最後の撮影カットの事です)まで乗り切りました。
役者はどんなに不快な状況であっても、とにかく芝居に専心できなければならない事を改めて実感できたように思います。ですが、撮影が大変スムーズに進む現場でしたので、中弛みをしてしまう事もなく、どのシーンも比較的役に集中して撮影に臨めたように思います。このような貴重な機会いただけて、本当に感謝しています。
ちなみにこの日のランチはShakey’sでした。Shakey’sはピザのイメージが強かったのですが、ブリトーやサラダなどさっぱりとしていてなおかつ栄養バランスの整った内容でしたので、これもまたモチベーションの向上に大いに寄与したように思います。
今回は一日だけでしたが、撮影が長期間にわたる場合はワンパターンな食事を提供するわけにはいかないので、メニューのバリエーションにまで配慮しなければならない製作側の方は本当に大変だなと常々実感します。スタッフの皆さん、おいしい食事をありがとうございました!
撮影を終えて。役者はつらいよ
私はアメリカに来てもうすぐ八か月になりますが、ハリウッド俳優を目指して渡航してくる日本人は日本で既に活躍している著名なプロの役者の方を除き、たいていは留学生として語学あるいは演技を学ぶという名目のもとアメリカに滞在しています。
そのため最初からプロの役者として活動するという事はできないので、このようなノンユニオン(こちらは俳優の組合がいくつか存在するのですが、こうしたユニオンが関与していない案件)のプロジェクトをとにかくこなし、出演歴(クレジット)と経験を稼いでいく必要があります。道のりは長いです。
日本の芸能界のように所属すれば売り込みを代替してくれる事務所とは異なり、こちらのエージェントやマネージャーは仕事をした際の支払い分は出演料のおよそ10−20%で済みますが、たいていは自分の営業活動などをしてくれるわけではないので、基本的にオーディションは自分で探さなくてはなりません。とにかくハリウッド女優になるにはセルフプロデュースが必要不可欠なのです。
残念ながら、こちらでは私たちアジア人は主役はもちろんの事、役者としてそれほど需要があるわけではありません。別に差別というわけではないのですが、どうしてもこちらを舞台に描かれたストーリーですと、やはりアジア人はどうしても不利な条件に立たされざるを得ないのです。
ですので、主役脇役を問わず良い企画を見つけたら、とにかくオーディションに挑戦して出演歴を増やしていく事が重要になります。海外で役者になるには、そうした人種的な逆風をまず理解する覚悟が必要かと思います。
まもなく迎える春休みを機に、ロサンゼルスへ留学される方も多いのではないでしょうか。留学に興味はあるが、一気に大金を手放す決心がつかないという方は、私自身も実はそうなのですが、まずは短期留学の計画で挑戦してみる事をおすすめします。
流石に一か月だけではそれほど英語力の向上は見込めないと思いますが、短期間なりに習得できる技術や学べる知識も多いですし、こちらの雰囲気だけでも窺い知る事ができますので、その後まだ滞在したいと感じたら、そのまま滞在するか再渡航するのも一つの手だと思います。
そして、そもそも所持金が足りないという方はぜひ貯蓄に努めてください。私も派遣とバイトを掛け持ちしていましたが、目標を達成したときの充実感はこの上ないので、とにかく形振り構わずに挫けずひた向きに頑張る事が大事です。
【追記】ついに動画が公開になりました!
こちらのサイト内記事から無料で視聴できます。観ていただけると今後の励みになります。
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