UCLA Thesis Short / 初めてのフィルム映画に出演しました

While the 89th Academy Awards were attracting attentions all over the world, I joined a film shoot of UCLA student. It was shot on film! I’ve learned a lot from the great experience.

巷がアカデミー賞の話題で賑わいを見せた週末、私は学生映画の撮影に参加してまいりました。私にとって初めての二日間に及ぶ撮影でしたが、途中で気分が中弛みする事もなく、最後まで貫徹した集中力で撮影に臨めたように思います。

 

オスカー当日、あの映画の撮影に

 
先日の記事でご紹介いたしました「会場にへ向かう途中で道に迷って慌てふためいたオーディション」ですが、ありがたい事にお声がけいただいたので、初めて本場ロサンゼルスで迎えるアカデミー賞授賞式に対して募る好奇心を抑えつつ、土日はがっつりと撮影に臨んでまいりました。

 

そうは言っても少し気になってしまうという事で、午後からの撮影に先立って早朝にハリウッドへ立ち寄り、アカデミー賞授賞式の準備が着々と進められている様子をちらっと覗いて行くことに。

 
まだ早朝六時でしたし、さらに髪に水滴が目立つほどの小雨が冷たく降り注いでいたので、さすがに場所取り目当ての見物人の姿はまだなく、まばらに歩道を行き交う通行人や通りに点在している警備員ばかりでした。レッドカーペットはまだ敷かれていませんでしたが、比較的自由に撮影できたので、雰囲気だけでも味わいたい、という方にはこの時間帯がオススメです。
ちょっとしたところで小雨が降り始めたので、後ろ髪を引かれながらも写真撮影も早々に、撮影に向けてその場を立ち去りました。

 

アカデミー賞当日のハリウッドの様子

 
Thankfully, I got the role for the project which I auditioned for before, as I mentioned in the former article! I felt like watching the 89th Academy Awards ceremony on TV, but I completely focused on the film shoot over the weekend.

 
I just visited Hollywood to see how it was like at that time at 6 o’clock in the early morning because the film shoot was going to begin in the afternoon.

 
There weren’t any spectators there because it was early morning and rainy. I saw just some pedestrians and security officers.

 

オーディションでも大人気!”Thesis”プロジェクトとは?

 
時間が遡りますが、この前日(土曜日)が撮影初日で、若者に人気があって常に賑わっているサンタモニカとは対照的に、落ち着いた雰囲気が非常にロマンチックで、比較的高い年齢層に人気のマリブ・ビーチにて撮影が行われました。

 

今回のプロジェクトは有数のカリキュラムを持ち、アメリカで専門的に映画製作を学べる大学として名実ともに先陣を切るUCLAの学生さんによる「thesis」(今回の場合は卒業制作のこと)でしたので、事前のリハーサルや打ち合わせのやり取りなどもあり、監督さんの作品に対する強い思いをひしひしと感じました。

 
通常オーディションはインターネット上で幅広く募集をかけられる為、BackstageLA Casting(私が使用しているものです)などの専用サイトでは、毎日たくさんのプロジェクトのオーディション情報が掲示されるのですが、残念ながら募集をかけている全ての企画が「成功」するわけではありません。

 

hollywood_casting_room

 

オーディションに応募するまたは呼ばれた段階で、作品の仕上がりや撮影時の円滑さなどの観点から、この企画はある程度のレベルまで到達しない可能性が高いなと推測できる事がほとんどですが、時には撮影当日になってから製作側の至らない点が露呈して様々な不利益を被ったり、いろいろな不備が生じて撮影が順調に進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまう事すらあります。

 
役者も最初はクレジットを得るべく無給での出演がほとんどですので、こうした事態に遭遇する事は常に絶えません。
しかし今回のような卒業製作のプロジェクトの場合は、あらゆる面においてそれなりの質の高さが見込まれるので、私たちのような新参者には大変魅力的な案件なのです。

 

ただもちろん、そうした企画には応募者がハイエナのごとく殺到しますので、倍率は一気に増加し競争は熾烈を極めます。しかしそんな厳しい条件下であっても役を見事に勝ち取った時、その達成感と言ったら何にも代え難いものがあります。

 

ちょっと大人のビーチタウン、マリブで撮影!海水が氷のように冷たい

 
まだ真冬の余韻が残る海岸沿いでは、その日の天候の悪さも相まって、凍てつく海風が吹き荒れては徐々に体温を奪っていきました。そんな寒空に心折れそうになりながらも身を奮い立たせて、撮影に臨みます。

 
マリブはサンタモニカから岸に沿って北西へ(陸地が途中で折れ曲がっているので)進んだところにある街で、大人の雰囲気が漂う閑静で美しいビーチだけでなく、お洒落な店が軒を連ねるショッピング複合施設や海沿いに建てられている豪華な別荘など、街並みもさながら高級リゾート地のように洗練されています。

 
美しいマリブビーチのオーシャンビューです

 
This project was UCLA student’s thesis. I acutely felt that how important for the director it is through the rehearsal and film shoot.On the first day of the filming, the location was Malibu Lagoon State Beach. The sea which we could see from the shore was very quiet and romantic, though it was cloudy.

 
The bad weather and chilly sea wind made me feel very cold. I was about to lose my heart, but I encouraged myself. There are not only beautiful beaches but also a lot of stylish shops and houses in Malibu.

 

そしてこのマリブからサンタモニカを越えて、さらに南まで伸びるPacific Coast Highway(パシフィック・コースト・ハイウェイ)は美しい海の景観を拝む事ができる為、ドライブコースとして大変な人気を誇っています。内陸にある通常の高速道路の方が目的地まで早く到達できるにもかかわらず、あえてこの道を通って行かれる方も少なくないそう。

 
ちなみにマリブのビーチはその美しさから様々な撮影に使われているそうで、猿の惑星やアイアンマン・シリーズなどの映画に加え、なんとあの「Destiny Child」(かつてビヨンセが結成していたグループです)の「Survivor」のミュージックビデオもそこで撮られたそうですよ。

 
ラトルスネーク、ガラガラヘビ出没注意

 

初めてのフィルムでの撮影!撮る側も撮られる側も緊張

 
今回のスタッフの方々は皆学生さんでしたので、物を運んだり設置したりなど何をするにも動きが機敏で、何というか漲る若さを感じました。また所々で縛りのない発想力や大胆な行動力を駆使しては、予期せず生じた問題にも屈する事なく全力で対処されていたので、見習わなくてはならない部分が多々あるなと思いました。

 

そして今回はなんと見慣れたいつものデジタルカメラではなく、16mmフィルムのカメラを使用したのです。

 
Arri社製アリフレックスのフィルムカメラ

 
They were using a 16mm film camera, I’d never seen until then. I was so nervous because this was my first time to act in front of a film camera. In addition, the condition that I can’t make any mistake made me feel pressured.

 

いやはや初となるフィルム撮影という事で、少し緊張しました。それと言うのも、独特な撮影の仕方に慣れていなかった事もありますが、フィルム撮影では基本的に失敗が許されないのです。

 
また、フィルムが尽きる前に新しいものに交換しないといけないのですが、今回の撮影でもビーチで小型テントのようなところに手とフィルムを入れての交換作業は側から見て大変そうでした。
手間や時間そして膨大な費用までかかるという、特に学生にとってはかなり欠点の多いフィルムですが、そうした悪条件をも凌駕する最大の利点はフィルムが持つ質感です。

 
一度フィルムで撮影したものをご覧いただけばお気づきになるかと思うのですが、フィルムが映し出す何とも言えぬ独特な質感は、編集ソフトの加工機能(デジタルカメラで撮った映像をフィルムで撮影したかのように見せるフィルター機能)だけでは到底再現する事のできない奥深さがあります。

 

出演する側としましても、せっかく一つの作品として残るのならば映像が鮮明な方が嬉しいですし、そもそもフィルムでの撮影はなかなか巡り会う機会がないので、撮影したばかりですが映像を拝める日が楽しみでなりません。完成が待ち遠しいです。

 

シュールレアリズムの映画。何よりも撮影中が一番シュールでした

 
まだ公開前ですので、先立って内容に関して多くを晒す事はできませんが、許容範囲内で撮影時の様子を振り返ささせていただきたいと思います。

 

マリブビーチで映画撮影
We carried a huge sky blue object on the beach on a cloudy day. It was a so weird moment! Seabirds living around there must have wondered what on earth we were doing.

 
こちらがマリブのビーチです。曇り空の荒涼とした風景の中、青いパステルカラーをした巨大な物体を運ぶ人々、非常にシュールでした。
普段は実に穏やかなビーチですので、この辺りに生息している海鳥さんもさぞ驚いた事でしょう。「こいつら一体何をしているのだろう」と怪訝な目でこちらを窺っていました。彼らにとってはちょっとした天変地異だった事と思います。

 
この後、浅瀬に顔を出している砂浜の離れ沿岸州のような場所へ向かったのですが、道のりに大きく跨がる小さな潟(小さいと言っても向こうまで50mほどありました)が意外に深く、行く途中で刺すように冷たい海水に膝下あたりまで浸りながらも、なんとかたどり着きました。

 
マリブラグーンステイトビーチ

 
カメラはなんとその潟の中心に三脚を突き刺し、水面から顏を覗かせた状態で設置されました。水中に落ちてしまわないか内心ハラハラしていましたが、カメラさんも仕事が終わった後は無事に砂浜へ生還を果たし、安心した表情を見せていました。
砂浜を越えてアスファルトの地面を踏みしめる頃には、ビーチサンダルも足も何億年も放置されて荒れ果てた過去の遺物のように砂まみれでした。

 

マリブのラグーン、ほとんど沼です
We had to go across a small lagoon. I got soaked to the knees in it, and it prevented me from walking smoothly!

 
足先は大いに冷えたものの、この日は無駄にテイク数を重ねる事もなくスムーズに撮影が終わったので、予定より30分前に解散となりました。観光地にもなっているような地方での撮影の際に早く切り上げになると、帰りに街を散策できるのでとても楽しいです。ただこの時は翌日も撮影が控えておりましたので、明日に備えて体を休めるべく、あまり寄り道をせずおとなしく帰宅しました。

 
そして翌日アカデミー賞授賞式の当日になりますが、この日は三箇所に及ぶロケーションでの撮影でしたので、1stADさんがしきりに監督に時間を告げたりとスケジュール管理にも力が入っていました。

 
最初はUCLAのキャンパス内での撮影でした。以前にもご紹介したように、UCLAのキャンパスは歴史的な建造物が軒を連ねていますので、背景に持ってきますと非常にお洒落と言うか、荘厳な雰囲気を醸し出してくれます。

 
miki_ucla_film_2

 
The first location of the second day was UCLA campus. There are many beautiful historical buildings there. They were contributing to making the background of this scene look so stylish and solemn.

 
I played for a high school student in this scene! I can’t believe that almost ten years has already passed since I actually graduated from high school. The weather wasn’t good, so I felt so cold for two days in a row.

 
miki_ucla_film_1

 

このシーンではなんと高校生役(もう高校卒業して10年近く経っているなんて信じられないです)を演じました。天気がいまいち優れなかったのと半袖でしたので、連日になりますが時折髪をなびかせる冷たい風が、私の体温を徐々に奪っていきましたが、精神統一して気合いで乗り切りました。

 
その後ロケーションを変えてからは室内での撮影が続いたのですが、最後に撮影したシーンではぬるま湯と水の中間ぐらいの温度の液体に浸からなければならなかった為、またしても凍えそうになりました。冬の撮影に寒さはどうしても付き物のようです。
役者をやっていく上で今後も寒さとの格闘は避けられそうにありませんので、しっかり体を鍛え直さなければなりませんね。

 

今回の撮影で学んだこと。主張はしないといけない

 
今回の撮影で最も学んだ事は、ちゃんと主張する大切さです。今回はスタッフさんのほとんどが大道具に付きっきりで終始忙しそうだったので、あまり余計な気を使わせたくなく待機している間も寒さに必死で耐えていたのですが、結果的に端っこで小刻みに震えている姿を見つかってしまい、だいぶ心配されてしまいました。逆に気遣わせてしまった様ので反省です。

 

今回の撮影だけの話ではないですが、撮影が押したりなどして順風満帆に進んでいない場合(特に低予算だと)、役者はあまり顧みられない事もあるので、そんな時は流石に身勝手な我が儘は許されませんが、どうしても耐え難い状況は甘んじて受け入れず自分の思いを主張して自らを守る事も重要です。

 
時に危険なことも要求されることがありますが、無理をして怪我が事故が発生すれば、プロダクションそのものの存続に関わってしまいます。せっかく良い演技をしても撮影が中断となれば、何にもなりません。
特に、駆け出しのノンユニオンの役者は、厳しい条件下(交通費も自腹は日常茶飯事)で自分の身は自分で守らないといけません。そのためには言われたことだけではなく、自分で考えて主張することもとても大事なのだと身を以て痛感する日々です。

 

監督とスタッフの皆さん、貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました♪
I appreciate having had such a precious experience. Thanks a lot!

 

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